おぼこ荘の歴史

雄鉾(おぼこ)岳の麓に、自然豊かな温泉地「おぼこ荘」があります。

松前藩時代に温泉が噴き出したのが始まりと言われています。

泉質は2種類。

内風呂は柔らかいお湯が「美人の湯」として名高く大露天風呂は鉄分の多い

よくあたたまる黄土色のお湯が満ちています。

静寂の中、川のせせらぎ、満天の星空。

ゆったりとした時の流れるおぼこの湯

 今のおぼこ荘の温泉が、いつ頃からかわき出ていたのかは、明確には分っていませんが、遊楽部鉱山の項で引用した「村の操業」の銀山の一節から、明治時代にはすでに遊楽部鉱山に相当量の温泉がわき出ていたことが書かれています。

 なお、これは後年ピリカベツ駅逓の管理人であった高見米太郎氏が、浴場を立てて管理し、俗に”高見温泉”と呼ばれました。しかし、昭和の初めに中外鉱業がこの地区へ進出することになったのでその権利が譲渡され、職員の福利施設として利用されるようになりました。また、この温泉の温度は、後日八雲町が再開発するまでは36度程度でした。

 昭和46年、北口盛氏が八雲町町長に就任してから、産業振興の一環として観光資源開発に積極的に乗り出し、いわゆる高見温泉と呼ばれていた地点の再堀削を行いました。これにより、地下49・7メートルの箇所から摂氏47・8度の湯が毎分450リットル噴出し、さらに掘り下げたところ、97.3~100メートルの箇所で64度、毎分400リットルが噴出し、上部下部合わせて54度700リットルの、良質で豊富な湯量を得ることができました。

 そこで町は、この温泉の利用について検討を加え、町民が気軽に利用できる公衆浴場を建設することとし、昭和50年10月15日に「町営八雲温泉」と名付けてオープンしました。この温泉は、木造平屋建て173平方メートルの山小屋風の造りで、浴室は男女それぞれ60平方メートル、このほかに50平方メートルの休憩室を設け、営業時間は毎日(火曜日を除く)午前10時から午後6時まででした。

開設された八雲温泉は、管理人に委託して営業が続けられ、森林地帯に包まれた。山峡の温泉ということで、開設当時は電気も電話もないという不便さにもかかわらず、利用客は次第に増えて昭和55年10月まで延べ5万2714人に及びました。

 こうしたことから町は、八雲・熊石道路を中心とした広域観光開発を推進するとともに、道南観光圏におけるその役割を果たすためにも、諸施設の整備について検討を加え、昭和55年6月に電気を、7月には電話を導入しました。さらに、年中利用できしかも夜間も利用可能な施設を計画し、約4532万円を投じ、木造モルタル、カラートタンぶき2階建て、延べ616・4平方メートルの施設を完成し、これまでの施設と渡り廊下でつなぎ、11月1日から営業を開始しました。この施設は、温泉の奥にそびえ立つ標高999・3メートルの雄鉾岳にちなみ、「おぼこ荘」と名付けられました。

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八雲温泉おぼこ荘

■ 〒049-3128
  北海道二海郡八雲町鉛川622

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日本旅館協会